2026年5月18日

ヤマサ醤油の研究開発の成果がHIV-1治療薬として米国FDA承認へ
380年を超える歴史と革新が医療分野にも貢献

ヤマサ醤油株式会社(本社:千葉県銚子市、代表取締役社長:石橋直幸、以下「ヤマサ醤油」)は、長年にわたる研究開発と社外との連携により創出した成分を使った新しい医薬品が米国食品医薬品局(FDA)により承認されたことをお知らせいたします。

この医薬品は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(以下「MSD社」)のヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)治療薬「イドビンソ®(一般名:ドラビリン・イスラトラビル水和物配合錠)」です。日本では2026年3月6日に、さらに2026年4月20日にアメリカでも承認されました。

この治療薬にはドラビリンとイスラトラビルという2つの有効成分が含まれております。
ドラビリンはMSD社により開発された成分で、すでに「HIV-1感染症」の効能又は効果で承認されています。
もう一方の成分であるイスラトラビル(4′-ethynyl-2-fluoro-2′-deoxyadenosine, EFdA)は、ドラビリンとは別の働きによってHIV-1が体内で増えるのを抑える新しいタイプの成分です。

ヤマサ醤油は、大学など社外の共同研究者と協力してこのイスラトラビルの設計・合成・評価に取り組みました。2012年にMSD社と契約を結び、その後はMSD社にてHIV-1治療薬としての開発が進められました。イスラトラビルは、これまでの薬とは異なる仕組みでウイルスの増殖を防ぐため、少ない投与量でも効果が長く続くことが期待されています。

ヤマサ醤油は、醤油づくりに欠かせない微生物や発酵の研究を行うとともに、1950年代から「核酸」と呼ばれる生命の設計図を担う物質の研究を継続してきました。この核酸に関わる技術はうま味調味料の開発に始まり、1990年代からは医薬品や診断薬などの分野にも幅を広げております。イスラトラビルの創製は、こうした当社の核酸についての研究開発が人々の健康や医療の進歩に役立った一例であると考えております。
今回のFDA承認は、HIV-1感染症の治療の選択肢を広げる大きな一歩であり、私たちもその一端を担えたことを大変誇りに思っています。また、この成果はMSD社をはじめ多くの関係者の協力によって実現しました。心より感謝申し上げます。

■ヤマサ醤油株式会社 医薬・化成品事業部   www.yamasa-biochem.com