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【匠の皿 vol.10】「昆布ぽん酢香る フレッシュトマトとイカの”パスタ ティエピダ”」 ワイン食堂MAREA オーナーシェフ 半田 雄大 氏

 
今回のオリジナルメニュー最大の特徴は「温度」。メニュー名にある“パスタ ティエピダ”は「ぬるいパスタ」という意味です。本場イタリアでスタンダードな常温のパスタを日本の皆さんにも楽しんでいただけるよう、ヤマサ昆布ぽん酢で和のエッセンスを加えた一皿を開発しました。
 

 
暑い季節になると日本では冷製パスタが好まれますが、イタリアは夏でも常温のパスタが一般的です。実は、常温のパスタの方が小麦本来の風味やソースの味わいをより感じやすく、つくる側にとっても味を調えやすいという利点があります。今回のオリジナルメニューは、ヤマサ昆布ぽん酢の深みのあるうま味と、トマトのうま味成分であるグルタミン酸がおいしさのカギ。常温の温度帯は、そのうま味を効かせた味付けの引き立て役となります。
 

 
意外なひと工夫としては、味付けの決め手となるヤマサ昆布ぽん酢にタピオカを浸ける点です。調理段階でパスタに和えてしまうと、ぽん酢の風味が立ちすぎてしまいます。その課題を解決するため試作を重ねた末、タピオカに染み込ませることで、口の中でほどよくぽん酢が香る仕上がりになりました。
 

 
イタリアではパスタは麺そのものを味わう料理であり、具材はあまり盛りませんが、日本では具材をふんだんに入れたパスタが好まれています。そのため、トマトやズッキーニといった野菜にもこだわりを込めました。ぽん酢を使うため、過度に酸味が立たないようトマトは酸味が少ないものが理想です。また、ズッキーニやラディッシュはヤマサ昆布ぽん酢にくぐらせることで鮮やかな色味になります。
 

 
今回は生パスタを使用しています。日本ではパスタの茹で加減といえばアルデンテが一般的ですが、生パスタのもちもちとした食感を引き出すためには、芯までしっかりと茹で上げるのがポイント。小麦の香りや甘味も一層引き出されますので、ぜひお試しください。
 
日本人は熱い・冷たいがはっきりとした料理を好みます。日本で生まれ育った私もまさにその一人でしたが、イタリアでの修行がターニングポイントとなり、今ではすっかり常温パスタに魅了されています。温度帯によってがらりと変わるパスタの奥深さを、「昆布ぽん酢香る フレッシュトマトとイカの“パスタ ティエピダ”」を通じて感じていただければなによりです。
 
レシピはこちら「昆布ぽん酢香る フレッシュトマトとイカの”パスタ ティエピダ”」