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注目店のキラーメニュー たちのみ STAND BY Mi

 
新橋駅のほど近くに鎮座する烏森神社の周辺は、昔からお酒を愛する人が夜な夜な集う場所。「STAND BY Mi」は、そんな烏森神社の参道から伸びる烏森宮脇通りの一角にあります。間口は狭いものの奥行のある店内は、通りからもガラスの扉越しによく見え、そこに満ちる和やかな空気が多くの人を誘います。
 

 
いろいろな美味しさを楽しみたい
そんなニーズに応える「おまかせ3種盛り」

 
お客様のうち、実に8割以上が注文するのが「おまかせ3種盛り」。定期的にラインナップが変わる9種類、1品250円の「ひと口おつまみ」の中から、おすすめの3品を盛り合わせた700円のメニューです。この日は、彩りも鮮やかな「トマトトマトトマト」、イチゴジャムをのせた「レバームース」、香ばしく炙ってエディブルフラワーを飾りつけた「サバタルト」という、それぞれが繊細に調理された目にも楽しい顔ぶれでした。
 

 
小さめなポーションの「ひと口おつまみ」について、料理長の北山海さんは「1つの料理だけでお腹いっぱいになるのではなく、いろいろな料理を楽しんでもらいたいという想いから誕生しました」と話します。シジミとホタテを使ってまろやかで優しい味わいを完成させた「貝だし醤油ラーメン」も、小ぶりのどんぶりで提供。「飲んだ後にフルサイズのラーメンを食べると体に負担がかかる」という自身の経験から、お酒を飲んだ後でも罪悪感のない味、そしてサイズ感を追求しました。
 

 
店長の猪瀬春佳さんは、このサイズ感にはコロナ禍での営業も影響していると教えてくれました。お店がオープンしたのは、コロナ禍の真っただ中。休業も余儀なくされる中で、お客様に安心して料理とお酒を味わってもらうために何が必要かを考え、たどりついたのが「ひと口おつまみ」でした。「シェアするサイズではないため、複数でのご来店でもお一人ずつご注文されます。そのことが安心につながりましたし、行動制限によって増えた一人飲みのお客様にもフィットしました」。立ち飲みのカウンターには、カトラリーが用意された引き出しがあり、お客様は必要な物を自分で取り出して使います。そんな細やかなサービスもまた、支持を集める理由の1つでしょう。
 

 
料理長が新たなチャレンジの舞台として選んだ
立ち飲みのビストロノミー

 
他のお店がやっていないことにチャレンジしたいという北山さんは、六本木にあるフランス料理の名店で10年間腕を磨いてきました。そのキャリアの中で高まっていったのが、よりお客様と近い場所で、お客様と接しながら料理を提供したいとの想い。オープンキッチンの立ち飲み、しかもそれまで培ってきたフランス料理の技や味の経験を活かせるビストロノミーは、北山さんの新たなチャレンジにふさわしい場所でした。
 

 
手ごろな価格とはいえ、食材に妥協はしていません。例えば「マグロのおつまみトロたく」。「ヤマサしょうゆ」を使って馴染み深い味わいに仕上げながらも、ディルやチャービルなどのハーブで香りを添えてより鮮烈な印象を与える一品ですが、そのマグロは、日本近海のクロマグロだけを扱う築地の仲卸「石司」から仕入れています。他にも、サバは鹿児島の脂がのったシメサバ、トマトは糖度7度以上の「あまえぎみ」を始め季節ごとに産地を変えて取り寄せるなど、こだわりをもって厳選。近くに全国の美味しいものを扱う系列の飲食店があるため、常に味への感度を研ぎ澄ますことができ、サプライズや発見のある料理のアイデアを得ています。そんなアイデアの1つが、キラーメニューで紹介した「レバームース」に見られます。じっくりと火入れをして臭みをとり、丁寧な仕事で滑らかに仕上げたレバームースの土台になっているのは、青森県の南部せんべい。サクサクとした食感が斬新で、南部せんべいと知ると皆さん驚かれるそうです。
 

 
南部せんべいを料理の土台に使用しているのは、その美味しさが一番であることはもちろん、洗い物の手間を減らせるから。「その時間があれば、お客様と接していたい。フレンドリーなコミュニケーションやお客様からのフィードバックをより大切にしたいんです」と北山さん。料理についても、仕込みは時間をかけて丁寧に、その分提供するのはスピーディーに、を心がけています。
 
わざわざ訪れる価値のある店となり
このまちに新たな風を吹かせたい

 
他のお店がやっていないことにチャレンジしたいと考えるのは、猪瀬さんも同じ。このまちに個性を出し、新橋とは縁遠かった人たちも集まってくるようなお店を目指しています。着目したのは、特別な日でなくても気を張らずに本格的な料理を食べられる、ビストロノミーというスタイル。高級店の名だたるシェフが特別に考案したメニューを、一品ずつ、しかも驚くほどリーズナブルに提供することで話題を集めました。気さくなスタッフによる明るくて入りやすい雰囲気づくりも功を奏し、このお店で一人飲みや立ち飲みのデビューを果たす女性のお客様も多いといいます。
 

 
「店名の〝Mi″がなぜ〝ME″じゃないのかというと、運営会社の社名〝ミナデイン″と、宮脇通りの頭文字から。〝STAND″の立ち飲み、〝STAND BY″の側にいるよというメッセージも込めています」と猪瀬さん。宮脇通りに自らの足でしっかりと立ち、まちとお客様に寄り添って新たな価値を創造するお店として、これから新橋をどのように変えていくのかとても楽しみです。
 
 
【店舗紹介】
STAND BY Mi

 

 
〒105-0004
東京都港区新橋2-9-13
16:00~23:30(食事L.O.22:30 ドリンクL.O.23:00)
※日曜・祝日定休
※新型コロナウイルス感染拡大の影響により、営業時間が変更になる場合がございます。詳しくは店舗へお問い合わせください。
https://www.instagram.com/standbymi_shimbashi/

※メニュー価格等は変更になる場合があります。