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注目店のキラーメニュー 蕎麦割烹 倉田

名店の精神を受け継ぐ
気鋭の蕎麦割烹料理店

 
武蔵小山に店を構える「蕎麦割烹 倉田」。黒塗りのシックな店構えとは対照的に、店内に入ると白木のカウンターが目を引く洗練された和の空間が広がります。店主の倉田政起さんは、日本料理の名店「神谷」で12年間修行。伝統的な懐石料理に寿司・蕎麦を組み込んだ神谷流“懐石くずし料理”を継承し、2012年に開業しました。現在では、日本料理と手打ち蕎麦が人気の“蕎麦割烹料理店”として、数多の食通をうならせる注目店として名を馳せています。
 

 
「当店の自慢は、旬の素材のおいしさをシンプルに引き出した“伝統的な日本料理”です。私が考える日本料理の定義は、食材・調味料・しつらえ・器など、料理を構成するすべての要素が国産であること。その前提のもと、日本が誇る食の豊かさを器の上に表現しています」。日本料理人としての技術と精神性を受け継ぐ倉田さんは、自身の“感性”を駆使して日本料理の新たな可能性を追求しています。「同じ作り方でも食材の個体差やわずかな火加減によって味わいが変化するもの、それが料理です。そのため、当店には明確なレシピはありません。最後に頼れるのは自身の“味覚”のみ。料理の仕上がりを見極める感性を養うためには、24時間365日、日本料理と向き合わなければなりません」。レシピという地図を手放し、心から納得できる自分だけの世界を追い求める倉田さん。20年近くに及ぶ料理人人生の中で磨いてきた“感性”に絶対的な自信があるからこそなせる業です。
 
至福の時間を演出する
伝統の美意識と新たな発想

 
そんな倉田さんの神髄を堪能できる料理が「季節の前菜」です。四季折々の食材を使用した9品目で構成される人気メニューで、5月・6月は『青葉 若葉の陽の光』と銘打ち、春の息吹を感じさせる山海の幸が食膳を彩ります。「前菜はコースの幕開けを飾る存在であり、視覚でも楽しませる“華やかさ”が必要になります。そのため、器やお盆の意匠性にもこだわっています。『日本料理』と『工芸』という、日本が誇る伝統美の融合を感じていただきたいです」と倉田さんは人気メニューに込めた想いを話します。さらに、提供する品目は日替わりというから驚きです。「毎朝市場で仕入れた良質な食材をもとに、メニューや調理法を決めています。即興で考えるため、料理人としての感性や発想力が大事です。その瞬間に集中して考えるからこそ、想像もしていなかったメニューが生まれることもあります」。旬の食材の滋味と、倉田さんのインスピレーションが発揮された「季節の前菜」は、“一期一会”を楽しむメニューでもあります。
また、常連客から支持を集める隠れた人気メニューが「すき焼き」です。伝統的な日本料理を看板メニューとして掲げる同店においては異彩を放つ存在ですが、「すき焼き」には倉田さんの“ある”想いが宿っています。「『前菜~寿司~蕎麦』という繊細な料理が並ぶコースでは、若干物足りない印象を与えてしまいます。そこで、コースの山場として和牛を使った『すき焼き』を据えることにしました」。醤油、砂糖、牛脂が織りなすコクのある甘塩っぱい味は、万人が食欲をそそられる”鉄板の味“。さらに、倉田さんは「すき焼き」が担うもうひとつの役割についても話します。「インパクトがある味わいの『すき焼き』のおかげで、コース料理の流れに強弱が生まれ、他の料理がもつ繊細なおいしさが一層引き立つようになります」。
 
妥協なき姿勢で目指すのは
愛される本物の日本料理店

 
蕎麦・寿司・すき焼きをはじめとした日本料理で、食通たちの心を掴む「蕎麦割烹 倉田」。その多彩な美食を陰で支えているのが「ヤマサ醤油」です。倉田さんは修行時代から愛用し、醤油における“座標”の中心のような存在だと語ります。「『ヤマサ醤油』は甘味と酸味のバランスが絶妙で、一言で言えば“完成された味”なんです。土佐醤油や蕎麦つゆ、焼きだれなど、幅広い用途に使えるので重宝しています。ただ、完成された味だからこそ、火入れする際には煮立たせないことが大事。食材と同様に、丁寧な仕立てでこそ醤油本来のおいしさが引き出されます」。
 

 
食材や調理方法、そして調味料においても芯のある考えをもつ倉田さん。その妥協なき姿勢が生み出す逸品の数々は、今日も人々の心に幸福をもたらしています。「料理人として生きるなかで一番嬉しいのは、お客様が店に入ってきた瞬間。喜んでいただけるよう、料理や内装、身支度など万全にしているからこそ湧き上がってくる感情です。そして、お客様の前では心を尽くす。一人ひとりの好みや心境をくみ取り、臨機応変に料理やサービスに反映しています。お客様に満足していただくために全身全霊を注ぐ日々を通じて、『日本料理が食べたい』と思った時に真っ先に思い浮かべていただけるお店を目指していきたいです」。
 
 
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■季節の前菜「青葉 若葉の陽の光」(タイトル写真料理)
 
<矢羽根の器>
平貝 唐墨 磯部揚げ
細魚昆布〆 子持ち昆布
蓬麩  蕗味噌田楽
金柑蜜煮
こごみ うるい  
飯蛸旨煮
車海老芝煮 黄身寿司射込み
筍土佐煮
空豆塩茹で
 

<奥>
山菜さらだ
天然クレソン
天然芹
天然五三竹
塩昆布

<手前>
とろめん豆腐  馬糞雲丹  鼈甲餡
翡翠鶯豆  花穂紫蘇  山葵
 
 
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■倉田政起氏プロフィール
 

 
長野県出身、辻調グループ学校卒業後、
ミシュラン1つ星「日本料理 神谷」にて12年間修業
 
2014年 蕎麦割烹 倉田 開店

2014年 RED U-35 2014 シルバーエッグ

2015年 RED U-35 2015 ゴールドエッグ

2015年、2016年 ビブグルマン取得
 

■蕎麦割烹 倉田

 
〒142-0062

東京都品川区小山3-2-18
TEL:03-5773-1268
http://sobakappoukurata.jp/
【ランチ】土・日曜、祝日
11:30~14:00

【ディナー】火~日曜、祝日、祝前日
17:30~23:00(L.O.22:30)