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シェフの裏技 スペシャルインタビュー シェフの裏技 スペシャルインタビュー

中国菜老四川 飄香 麻布十番本店

井桁 良樹(いげた よしき)シェフ

1971年千葉県生まれ。高校卒業後、調理師専門学校で中華料理を学び、「四川料理 岷江」に8年間勤務したのち、名店「知味斎」を経て、単身中国へ。上海、成都にて街場の中国料理店やホテル内レストランなど数店舗で2年間修業に明け暮れ、500以上のレシピを習得する。帰国後3年半の準備期間を経て、2005年4月独立し代々木上原に「飄香」をオープン。2012年に現在の麻布十番に移転。
店名の「老四川 飄香」(ラオシセン ピャオシャン)は「昔の四川が漂い香る」という意味。伝統料理から家庭料理まで、現地で学んだ「本場四川の味の伝承」をモットーとしている。

シェフにお話を聞いてきました

四川の魅力は香りにあり

こどものころから料理が好きで、家でも作っていました。高校一年の時に中華料理屋でアルバイトをしたのですが、その時「こんなに美味しいものがあるのか!」と回鍋肉を食べて感動したのが中華に目覚めたきっかけです。その後、シェフとして日本で経験を積んでいきましたが、本場ではどうなのかという好奇心を抑えきれず中国へ。当時の中国ではまだ外国人が修行をする受け入れ態勢が無かったので、こちらからお願いをし、師匠に授業料を払う形で2年間の修業をしました。日本独自で生まれた育った中華はやはり日本人の口に合いやすいようアレンジされていますが、現地では衝撃的なくらい違いがありましたね。本場で、その地に根付いた料理を色々と学び、帰国してからは「向こうで出会い感動した料理をお客様に伝える」をコンセプトに、そこに自分らしさをプラスすることを心がけています。四川料理の魅力は香りにあると思うんです。その香りを残しつつ、日本の繊細な食材を表現するには、そのまま作ると味に埋もれてしまい素材の良さが引き出せないので、その点は工夫や苦労を重ねながら作っています。

焦がし、合わせ、漬け~しょうゆの特徴を活かす

しょうゆは大豆に塩を加え発酵したものなので、熱を加えた時にとても華やかな香りがします。「ねっとり里芋の焦がしネギじょうゆ和え」ではそこをポイントに、香ばしさを引き出しています。ネギもギリギリのところまで焦がし、しょうゆと合わせます。里芋は秋冬が旬ですが、素朴な素材に香ばしい調味料を合わせることで香りが活きてくるのではと考えました。
「なすと豚肉のバジルしょうゆ炒め」では、なす、しょうゆ、バジルの組み合わせがビックリするくらいよく合います。バジルはイタリアのものとは品種が違うのですが、福建省や台湾ではよく使われています。最後に合わせじょうゆを鍋肌から入れるのですが、バジルと組み合わさった時に良い香りを放つので、いかに一瞬で香りを決めるのかがポイントです。
「大根のお粥スープ」は暴飲暴食が心配な時期におすすめな一品。大根は中国でも胃もたれや胸焼けなどに効く食材としてよく食べられていますが、それをたっぷりと入れ優しいスープ仕立てのお粥にし、仕上げに減塩しょうゆで味付けした大根の漬物をトッピングしました。

華やかな香りにビックリ!

私も中国で色々なしょうゆの味見をしましたが、「鮮度の一滴」はまず開けた瞬間にとても華やかな香りがしたのにビックリしました。また、味にもやわらかなまろみがありますね。特殊なパッケージで酸化しないように作られているので、何度使ってもフレッシュが楽しめるのも良いと思いました。減塩しょうゆは、そのままなめても塩味がツンとこないので、健康に気を使われている方にもおすすめですね。『鮮度の一滴』の香りがいいですね」とシェフ。ご自身でも、せっかくの家ごはんは美味しいものを食べたいと、調味料選びにはこだわっているとのこと。今回の裏技にもヤマサの調味料の風味とうま味がいきています。

井桁良樹シェフの裏ワザレシピ