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【匠の皿 vol.4】「泡辣時鮮魚(パオラーシーシェンユイ)~旬の鮮魚で作る発酵唐辛子煮込み~」 赤坂四川飯店 濱邉 一樹シェフ

 
今回開発した「泡辣時鮮魚~旬の鮮魚で作る発酵唐辛子煮込み~」は、減塩醤油の特徴を活かしたオリジナルメニューです。メニュー自体は、唐辛子を乳酸発酵させた調味料である泡辣椒(パオラージャオ)をはじめ、紹興酒や八角、桂皮などの調味料が複雑な味わいを織り成す四川料理らしい一品。そのさまざまな調味料や食材同士を結び付けるのが、ほど良い塩味と芳醇な香りを持つ減塩醤油。泡辣椒はしっかりとした塩味のある調味料である分、減塩醤油を使うことで塩味が立ち過ぎないバランスの良い味わいに仕上がります。
 


 
メイン食材となる魚として、今回はイサキをセレクトしていますが、白身魚であれば代用可能です。夏から秋にかけては、金目鯛やハタがおすすめ。材料となる多様な四川料理の調味料・食材は食料品の専門店で購入できます。なかでも、酒醸(チューニャン)は欠かせない調味料のひとつ。もち米を発酵させた調味料で、ほのかな甘味には料理の塩角をとる働きがあります。
 

 

 
この料理の出来を大きく左右するのは「魚の揚げ具合」です。190度まで熱した高温のサラダ油で、2分を目安に揚げてください。魚は減塩醤油をベースに下味を付けているので、火を通していくうちに色味が茶色く変化してきます。フィッシュフライのようなきつね色になった頃合いがベストな揚げ具合。外側がパリパリになるまで揚げることで魚の身から水分が抜け、その身はタレで煮込むと旨味や香りをたっぷりと吸い込み、ふっくらとした食感に仕上がります。
 

 
四川料理と醤油は馴染みが深い関係で、店舗では2種類の醤油を併用しています。ただ、減塩醤油を使ったのは今回が初めて。味見の段階では、減塩醤油は少々物足りない印象でしたが、試作を重ねるうちに醤油としてとても使いやすいことに気付きました。減塩醤油ならではの魅力も発見でき、塩分が控えめなことにより引き立つ「醤油本来の香り」には特に心惹かれました。今回のメニューのほかにも、熱々の油をかけた刻みねぎに醤油をさっと加えて作るねぎソースや、杏仁豆腐をはじめとしたデザートの甘味を引き立たせる隠し味など、あらゆる場面で減塩醤油を試してみたいです。
 

 
ご家庭で減塩醤油を使う際には、麻婆豆腐や青椒肉絲、あんかけ焼きそばなど、ポピュラーな中国料理が良いのではないでしょうか。塩分が少ない分、普通の醤油よりも多めに加えることができるので、より一層醤油の香りが広がる味わいに仕上がります。ぜひ減塩醤油を通じて、おなじみの中国料理の「新たな一面」を楽しみましょう。
 
「泡辣時鮮魚(パオラーシーシェンユイ)~旬の鮮魚で作る発酵唐辛子煮込み~」のレシピはコチラから