展覧会

秋の浜口陽三展 カラー・トリップ 2017年8月26日(土)~ 10月22日(日)

 この秋の展覧会は浜口のリトグラフ作品に焦点をあて、さらに主な制作である銅版画約40 点を加えた多彩な構成です。さくらんぼを追いかけて、色の旅をどうぞお楽しみください。

 新しい表現は、見る人に新しい世界を切り開いてくれます。 浜口陽三は、1950 年代に手さぐりで銅版画の制作を開始し、独自 の技法を編み出しました。それは銅の板を何ヶ月もかけて繊細に 彫る手間のかかる方法でしたが、前例のない、光と闇に満ちた神秘 的な画面を作り出し、20 世紀後半を代表する銅版画家として国際 的に活躍しました。この夏は、浜口陽三にちなみ、現在、未踏の 表現を拓いて進む作家3人の作品を展示します。

南桂子銅版画展 花かごを抱えて 2017年3月4日(土)~ 5月7日(日)

 夢と現のあいだを、はだしで散歩するような、あたたかな孤独に包まれて、南桂子(1911-2004)の作品は今もここにあり続けています。のちに20世紀を代表する銅版画家のとなる浜口陽三との出会いをきっかけに、戦後のパリで銅版画家の道を一途に歩んだ南桂子。作品の世界は、遠くをみつめるまなざしでつくられたその日から、今日とは別の時間軸に存在し、いつまでもいつまでも変わることはありません。眼に映る色をもう一度つくりなおしたような新鮮さと、心に寄り添うなつかしい時間を、春のひとときにどうぞお楽しみください。南桂子の銅版画約50点と浜口陽三の銅版画約20点を展示します。

繊細な色彩に焦点をあてた浜口陽三の銅版画展を開催します。
浜口陽三(1909-2000)は戦後パリに定住して本格的に銅版画制作をはじめ、ほどなく国際的に認められる芸術家となりました。浜口は黒の濃淡を細やかに表現する銅版画技法「メゾチント」を独自に習得し、色版を重ねて刷る「カラーメゾチント」へと発展させたことで知られています。
浜口作品に加え、本展では小企画として現代の二人のアーティストの作品を紹介します。実験的な作品を次々発表している写真家・濱田祐史(1979-)の「C / M / Y」シリーズは、複数の写真の色層を水の中で分解して取り出し、紙に重ね合わせることで再構築しています。研ぎ澄まされた感性のもとで瞬時にめぐり合わされた色と形はドラマを内包し、手作業の痕跡も魅力の一部となっています。
ヘルシンキ在住のテキスタイルアーティスト・浦佐和子(1986-)のドローイングは、自然の美や記憶の中の風景をテーマとし、多くがテキスタイルに使われています。質感の異なったクレヨンを2~3層塗り重ねてから、爪楊枝でひっかいて線や点を描く手法は、銅版画の彫る作業に重なるところがあります。一本一本の線に息吹があり、北欧の風や大地、そのはるかな先に続くような作品です。
色のかさなりから生まれるそれぞれの物語をどうぞご鑑賞ください。

秋の浜口陽三展 日々ぐるぐる 静物と30 の「ことば」 2016 年9月10 日(土)~ 11 月27 日(日)

この秋は銅版画と「ことば」による展覧会を開催します。浜口陽三の銅版画はさくらんぼや毛糸など身近な静物をモチーフとし、二〇世紀後半にはフランスをはじめ多くの国で高い評価を受けました。さりげなく静かで深い佇まいの作品は、言葉や文化の違いを越えて広く感銘を与えてくれます。ここに浜口作品と並べて紹介する「ことば」は、詩、短歌、俳句、落語、伝承あそびなど様々です。「ことば」によって作品が明るく輝いたり、モチーフがつぶやき始めたりと表情の変化する浜口作品が、見どころです。絵と「ことば」が醸し出す世界を存分にご鑑賞ください。自分ならどんな「ことば」を添えたいか、ご自身の展示空間を空想しながらご覧いただければ幸いです。多くの詩人たちとお仕事をされてきた編集者の金井ゆり子氏に遊びゴコロ満載で選んでいただいた、銅版画五十点、「ことば」三十点の構成です。

南桂子展 風のあわいに 小川イチの作品と共に 2016年5月21日(土)~8月16日(火)※会期が延長になりました。

一抹の寂しさと、どこか懐かしさもあわせもつ独特の銅版画世界を作り出す南桂子(1911–2004)の展覧会です。樹は立ち並び、鳥や少女がたたずみ、果てしなく広がる空。その画面世界の住人たちは、見る人を誘うでもなく、拒むでもなく、ただそこにいるだけ。ある種の無関心さが、かえって私たちを安心させてくれるのかもしれません。本展では南桂子の銅版画と初期の油彩、約40点とともに、南が画家として歩み始めた頃の友人で、生涯を通して交流のあった、小川イチ(1922–)の油彩、約15点を展示いたします。海を隔てても、画家として、友人として、二人の心の交流は続きました。その二人の作品を半世紀近くの時を経た今、同じ空間に展示いたします。それぞれの表現方法で、たゆむことなく憧れや心のよりどころを描き通した、二人の女性画家の凛とした姿勢を、作品を通してご鑑賞いただけたら幸いです。浜口陽三の銅版画約15点も併せて展示いたします。

浜口陽三展 赤と黒・色彩の引力 2016年2月7日(日)~5月8日(日)

浜口陽三(1909-2000)は20世紀を代表する銅版画家の一人です。戦後、本格的に銅版画に取り組み、独学でメゾチント技法を探求していきます。そして、フランス語ではマニエル・ノワールと呼ばれ「黒の技法」を意味するこの技法に豊かな色彩を取り入れた、唯一無二の作家です。本展覧会では赤と黒が印象的な「14のさくらんぼ」や「西瓜」をはじめ、色彩の魅力を味わえる作品、約60点を展示いたします。複雑に重なり合いニュアンスをもった色彩を、ゆっくりと目でご堪能ください。見るほどに違った味わいが見つかることでしょう。

パリの四ヵ月 銅版画家・浜口陽三と写真家・秋山庄太郎 2015年10月10日(土)~2016年1月24日(日)

人物ポートレートやライフワーク「花」をはじめ、独特の叙情的作風で写真界の第一線で活躍した秋山庄太郎(1920‒2003)。同氏は40歳の年、順風満帆だった仕事を整理し、ヨーロッパ外遊に出かける決意をします。そして1960年2月からの4ヵ月間、行く先々で風景や芸術家の肖像などをフィルムにおさめました。美しきものを写しとめる、という独自の美学に基づいた写真には一瞬のドラマがあり、被写体も風も光もまるでその1シーンのために存在するかのようです。

本展では、秋山庄太郎写真芸術館の全面的な協力を得て、残されたフィルムから、パリやヴェネチアの写真、資料など50点ほどを紹介いたします(前後期で展示替)。多くが初公開です。浜口陽三の銅版画については、秋山氏が所蔵していた中より特にお気に入りだったという「4つのさくらんぼ」を含む3点と、ヴェネチア・ビエンナーレ出品作を中心に約30点を展示いたします。

南桂子銅版画展 散歩道 2015年7月18日(土)~9月23日(水・祝)

南桂子の作品には、森や木々が繰り返し登場します。レースのような線でつづられた森、はしご状の林、音符のように実ったさくらんぼ。このような抽象を交えた形の面白さに加え、銅版画ならではの丹念な手仕事による淡い光の表現も、作品の魅力のひとつです。その光に包まれて森の情景に不思議な奥行きが生まれ、物語世界がはじまります。この展覧会は、その森の小さな葉っぱや小鳥たちが主人公です。繊細な情景の中をこころゆくまで散策し、ささやかなモチーフから物語を想像しながらご覧ください。南桂子の銅版画約50点と併せて、浜口陽三の銅版画約10点を展示します。

浜口陽三・丹阿弥丹波子の銅版画作品を、画家・詩人の大岡亜紀の詩と共に鑑賞する展覧会です。二人は表現の方向性は異なりながらも、同じ技法を用いて澄んだ境地を得た銅版画家です。銅を刻むひたむきな作業から、偽りのない光や命を生みだします。果物や花はスケッチではなく、時を重ねて生み出す心のかたち、結晶です。本展では、丹阿弥丹波子作品に貫かれる強い力を、大岡亜紀が詩に歌いあげます。


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