優雅にたたずむモチーフの美しさが魅力のひとつでもある浜口の作品。
浜口にとって描かれているモチーフは、これらは目にみえない心象や象徴としての「オブジェ」なのかもしれません。本展では銅版画を中心に約六十点を展示します。
12月24日(火)~3月13日(金) 1、2月は工事休館いたします。
銅版画家・浜口陽三が芸術家として開花する時代を共にした洋画家・森芳雄との交流を浜口の銅版画他約50 点と、森芳雄の油彩画6 点、素描や資料による構成で紹介します。
春の企画展では浜口陽三と3人の現代作家による身近なものを題材にし、見る人に何かを思い起こさせ、胸を満たしてくれる作品を集めた展覧会となります。
浜口陽三、カロリーナ・ラケル・アンティッチ、前原冬樹、向山喜章の4 人の作家のつくりだす空間は、私たちの記憶やイメージと交差します。
ひきだしの奥にしまってあった心のかけらにささやきかける作品の数々をご覧ください。
本展では銅版画約45 点と作品の細部を拡大した展示をします。
何倍にも引き伸ばしたことで見えてくる、私たちの気がつかなかった、
静謐な作品の物語るささやかな声に、耳をすませてみませんか。
この秋の展覧会は浜口のリトグラフ作品に焦点をあて、さらに主な制作である銅版画約40 点を加えた多彩な構成です。さくらんぼを追いかけて、色の旅をどうぞお楽しみください。
新しい表現は、見る人に新しい世界を切り開いてくれます。 浜口陽三は、1950 年代に手さぐりで銅版画の制作を開始し、独自 の技法を編み出しました。それは銅の板を何ヶ月もかけて繊細に 彫る手間のかかる方法でしたが、前例のない、光と闇に満ちた神秘 的な画面を作り出し、20 世紀後半を代表する銅版画家として国際 的に活躍しました。この夏は、浜口陽三にちなみ、現在、未踏の 表現を拓いて進む作家3人の作品を展示します。
夢と現のあいだを、はだしで散歩するような、あたたかな孤独に包まれて、南桂子(1911-2004)の作品は今もここにあり続けています。のちに20世紀を代表する銅版画家のとなる浜口陽三との出会いをきっかけに、戦後のパリで銅版画家の道を一途に歩んだ南桂子。作品の世界は、遠くをみつめるまなざしでつくられたその日から、今日とは別の時間軸に存在し、いつまでもいつまでも変わることはありません。眼に映る色をもう一度つくりなおしたような新鮮さと、心に寄り添うなつかしい時間を、春のひとときにどうぞお楽しみください。南桂子の銅版画約50点と浜口陽三の銅版画約20点を展示します。
繊細な色彩に焦点をあてた浜口陽三の銅版画展を開催します。
浜口陽三(1909-2000)は戦後パリに定住して本格的に銅版画制作をはじめ、ほどなく国際的に認められる芸術家となりました。浜口は黒の濃淡を細やかに表現する銅版画技法「メゾチント」を独自に習得し、色版を重ねて刷る「カラーメゾチント」へと発展させたことで知られています。
浜口作品に加え、本展では小企画として現代の二人のアーティストの作品を紹介します。実験的な作品を次々発表している写真家・濱田祐史(1979-)の「C / M / Y」シリーズは、複数の写真の色層を水の中で分解して取り出し、紙に重ね合わせることで再構築しています。研ぎ澄まされた感性のもとで瞬時にめぐり合わされた色と形はドラマを内包し、手作業の痕跡も魅力の一部となっています。
ヘルシンキ在住のテキスタイルアーティスト・浦佐和子(1986-)のドローイングは、自然の美や記憶の中の風景をテーマとし、多くがテキスタイルに使われています。質感の異なったクレヨンを2~3層塗り重ねてから、爪楊枝でひっかいて線や点を描く手法は、銅版画の彫る作業に重なるところがあります。一本一本の線に息吹があり、北欧の風や大地、そのはるかな先に続くような作品です。
色のかさなりから生まれるそれぞれの物語をどうぞご鑑賞ください。
この秋は銅版画と「ことば」による展覧会を開催します。浜口陽三の銅版画はさくらんぼや毛糸など身近な静物をモチーフとし、二〇世紀後半にはフランスをはじめ多くの国で高い評価を受けました。さりげなく静かで深い佇まいの作品は、言葉や文化の違いを越えて広く感銘を与えてくれます。ここに浜口作品と並べて紹介する「ことば」は、詩、短歌、俳句、落語、伝承あそびなど様々です。「ことば」によって作品が明るく輝いたり、モチーフがつぶやき始めたりと表情の変化する浜口作品が、見どころです。絵と「ことば」が醸し出す世界を存分にご鑑賞ください。自分ならどんな「ことば」を添えたいか、ご自身の展示空間を空想しながらご覧いただければ幸いです。多くの詩人たちとお仕事をされてきた編集者の金井ゆり子氏に遊びゴコロ満載で選んでいただいた、銅版画五十点、「ことば」三十点の構成です。