過去の展覧会

南桂子展 船の旅 ―詩と童話と版画の世界― 2012年5月12日(土)~7月31日(火)

南桂子の詩と童話の初公開
展覧会タイトルになった「船の旅」は1953年の冬、銅版画を学ぶためにフランスに渡る、その船の中で書きつけた詩です。七章からなる詩は、台湾、香港、シンガポールと寄港しながら見知らぬ新天地をめざす作家の真っ白な希望をたたえ、後半は異国情緒あふれる物語へと変化してゆきます。旅の途中に描いたスケッチと併せて展示いたします。
童話は、森の中の小さな湖で起こる月夜の不思議な物語「金と銀の魚」など、数ある中から、夢や色彩にあふれる5編を選んで初公開します。
南桂子の詩と童話と、銅版画約50点の展示になります。なつかしく新しい、それぞれの世界をご鑑賞ください。

浜口陽三名品展 生まれ出ずる光 2012年4月3日(火)~5月6日(日)

20世紀を代表する版画家の一人、浜口陽三の名品展を開催します。
浜口陽三(1909-2000)は、戦後いちはやくパリに渡り、銅版画の新しい技法(カラーメゾチント)を開拓しました。その技法を使った作品は、国際版画コンクールで次々とグランプリを受賞し、オリンピックのポスターに使用されたこともあります。
作品の前に立つと、闇の中に、ほんのりとやさしい光が見えてきます。小さな静物画でありながら、地平線の夜明けが重なってくるような壮大なスケールがあります。
本展では、浜口陽三の代表作である「パリの屋根」「くるみ」など珠玉の作品約50点を展示します。

浜口陽三銅版画展 少年の日の夢 2011年12月6日(火)~2012年2月29日(水)

浜口陽三は、1950年代にフランスに渡ってカラーメゾチントという新しい銅版画の技法を編み出し、この技法を用いた作品によって世界的なコンクールで次々と大賞を獲得しました。
見る人がすっと包み込まれるような、静謐さをたたえた作品は今でも世界中に知られています。
冬のコレクション展では、浜口陽三の銅版画を紹介するほか、少年時代の絵画類を展示します。
千葉県銚子市で育った浜口は、「大きな絵より、小さくても真実の絵を描きたい」と小学校の絵の先生に語ったそうです。
現存する絵は、水彩や色鉛筆のドローイングで、題材の多くは身近な静物や風景です。中には大正のモダンな風俗を感じさせるモチーフもあり、後の銅版画に通じるような特色も見出せます。
未来のある少年の目に重ねるようにしてご鑑賞ください。

浜口陽三・石川九楊二人展 -光の消息- 2011年9月1日(木)~11月26日(土)

当館は銅版画家・浜口陽三(1909-2000)の美術館です。この秋の企画展は書家として活躍中の石川九楊(1945年生れ)との二人展が実現しました。

石川氏は5歳で書に出会い18歳で本格的に活躍をはじめてから現在まで、半世紀にわたり書芸術の可能性を拡張し続けています。一見絵画のような作品は「書」の枠に収まらず、見る人に衝撃を与えてきました。
本展では、「新・源氏物語書巻五十五帖」(2008年発表)の連作55点を、3期に分けて全作紹介します。

一方浜口の銅版画技法であるメゾチントはベルソーという道具で銅版の表面に無数の点線を刻む作業― 「目立て」 から始まります。闇の中に光を含んで浮かび上がる造形、浜口のメゾチント作品には悠然たる個性が宿り、現在も世界中の人々を魅了しています。

書と銅版画は全く異なる芸術ですが、和紙に刻み込むように書かれた石川九楊の一点一画(筆蝕)の表現と、銅版に刻み込むことから生み出される浜口陽三の造形は、二人の作家それぞれの卓越した厳しい探求によって決定的なものとなり、目でみながら触覚で感じるような肌合いを持っています。作品に近づき、細部までなぞるようにご鑑賞下さい。二人の作品を同時に見ることによって、ジャンルや時代を越えて創作の根源に探る感覚を呼び覚ますのではないでしょうか。

夏の収蔵展示
浜口陽三銅版画展 ジャーナリスト・阿部徹雄が撮った浜口陽三 1958年パリ
2011年5月3日(火)〜7月31日(日)

南桂子(1911 ~ 2004)は、富山県に生まれ、戦後になってパリとサンフランシスコで活躍した銅版画作家です…

浜口陽三展 カラーメゾチントの魅力
2010 年10 月5 日( 火) ~ 12 月12 日(日)
企画展
浜口陽三・植田正治二人展 ―夢の向こうがわ―

2010年7月9日(土)~9月26日(日)
春のコレクション展
浜口陽三展 メゾチントの冒険Ⅰ

2010年4月20日(火)~6月27日(日)
南桂子展 ―まなざしの彼方―
2010年1月10日(日)~3月28日(日)

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