浜口陽三への誘い ― 愛すべき珠玉の作品と創作のひみつ ― 2003年10月18日(土)~12月23日(火・祝)

光と闇から生まれるマニエル・ノワールの魅力

展示作品より 000000 ミュージアムトーク
 銅版画家・浜口陽三の個人美術館として、1998年11月28日にオープンしたミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションは、このたび5周年を迎えます。  
 これまで当館では、春と秋の年2回ずつテーマごとに企画展示を開催してきましたが、今回の展示は、浜口作品を愛し、館を支えてくださった来館者のみなさまの声から、人気の高い作品を中心に構成します。   生前、浜口は、「好きか嫌いか、それだけでいいんです。」という言葉を残し、自身の作品について解説することを好みませんでした。そんな作家の意向にそって、来館者に自由に鑑賞していただく機会を持ちたいと考えました。
 展示する作品は、「パリの屋根」、「14のさくらんぼ」をはじめ、「西瓜」、「ぶどう」、「ざくろとナイフ」など、モノクロームメゾチントとカラーメゾチントの名作約50点です。
作品も本人と同様、決して饒舌ではありませんが、向き合うと、その深く静謐な画面にひき込まれ、いつしか浜口陽三の世界へ誘われていくことでしょう。  また、さくらんぼやアスパラガス、蝶、ざくろなど、作家が好んで取り上げたモチーフの、インスタント写真や雑誌の切り抜き、スケッチなどからなるスタディ資料を併せて展示します。これは近年発見された資料の中にあったものですが、作家の創作アイディアがどのように引き出されたかが伺え、興味深いものです。

ミュージアムトーク
11月29日(土) 14:00~15:30
「ものづくりへの想い」
講師:中尾 彬 (俳優)

12月13日(土) 14:00~15:30
「銅版画の現在」
講師:池田 良二 (銅版画家)

会 場

ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション 1階

定 員 80名(先着順)
参加費 500円+入館料 (お茶とお菓子付き)
申込み

Tel、Fax、E-mailで受付。
住所、氏名、連絡先、人数をお知らせ下さい。
Tel.03-3665-0251
Fax.03-3665-0257
E-mail:musee@yamasa.com

講師プロフィール
中尾 彬■ 中尾 彬 (なかお あきら)
’42年千葉県木更津市に生まれる。’61年武蔵野美術大学油絵科入学。同年、日活第5期ニューフェイス合格。’63年パリに留学し帰国後、劇団「民芸」に入団。’64年日活映画『月曜日のユカ』でデビュー。仁侠映画の悪役から政治家・教師に至るまで、幅広い役柄で強烈な印象を残す個性派俳優。’83年にはフランスの絵画展「ル・サロン」でグランプリを受賞するなど、芸術家としても偉才の顔を持つ。近年は TV・映画・絵画・陶芸等、多方面で活躍の場を広げている。

■ 池田 良二 (いけだ りょうじ)
’47年北海道根室に生まれる。現在、武蔵野美術大学造形学部教授。’01年『RYOJI IKEDA 1975ー2000 池田良二銅版画集』(阿部出版)を刊行。’02年第13回タカシマヤ美術賞受賞。〈近年の主な展覧会〉’90年『第7回ソウル国際版画ビエンナーレ展』で大賞を受賞。’93年『第1回エジプト国際版画トリエンナーレ展』で審査委員賞を受賞。’98年『20世紀の”線描”―〈生成〉と〈差異〉』(東京国立近代美術館)’02年『今日の作家〈池田良二
時空への夢想〉』(神奈川県立近代美術館)’03年『第1回北京国際版画ビエンナーレ2003』で銀賞を受賞など。


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