English

【匠の皿 vol.20】「トリュフ卵かけごはん『T.T.K.G』~イタリアンテイストで~」 XEX TOKYO Salvatore Cuomo Bros. 料理長 早川 光 氏

 
「トリュフ卵かけごはん『T.T.K.G』~イタリアンテイストで~」は、当店の人気メニュー「パルミジャーノリゾット」にアレンジを加えた一皿です。炎が立ち上がる幻想的なパフォーマンスや目の前で食材を削り仕上げる演出など、外食だからこそ体感できる魅力をふんだんに取り入れています。
 

 
卵かけごはんのエッセンスをリゾットとうまく調和させるため、そのつなぎ役として醤油がほのかに香る卵黄のマリネを考案しました。濃縮された卵黄のコクと旨味は、パルミジャーノチーズやトリュフなどの個性豊かなイタリア食材にも引けを取りません。「ヤマサ 鮮度生活 うすくち丸大豆しょうゆ」は、マリネ液として使うと卵黄を色鮮やかに仕上げてくれるので、とても大事な役割を担っています。
 

 
リゾットのおいしさを左右するのが、鶏ガラを煮込んでつくる、イタリア料理の“出汁”にあたるブロードです。雑味のないブロードづくりの基本は、鶏ガラの血合いと余分な脂をしっかりと取り除き、沸かし過ぎないように煮込むことです。それを徹底すると、鶏ガラの旨味やハーブ・香味野菜の香りが溶け出した、すっきりとした味わいに仕上がります。澄んだ味わいだからこそ、パルミジャーノチーズや卵黄のマリネといった主役級の食材の持ち味は一層引き立ちます。リゾットを炊くうえでのポイントは、米の硬さを確認しながらブロードを少しずつ足すことです。最後に、まろやかな味わいの「ヤマサ特選 有機丸大豆の吟選しょうゆ」で味の輪郭を整えたら、ベースとなるリゾットの準備は完了です。
 

 
そして、パルミジャーノチーズを使った贅沢なパフォーマンスで仕上げます。スピリタスに火をつけてチーズに回しかけると、大きな炎が立ち上がります。揺らめく炎の明るさや温度、チーズの溶ける音や香りなど、このパフォーマンスにはお客様の五感を刺激するための工夫が詰まっています。チーズが溶けたところでリゾットを加えて手際よくからめ、トリュフや卵黄のマリネなどをかければ完成です。幻想的なパフォーマンスの余韻に浸りながら、イタリアと日本が誇る食材・調味料がひとつになったおいしさを堪能する時間こそ“外食ならではの食体験”だと考えています。
 

 
目を引くパフォーマンスと驚きのある味わいが特徴のメニューですが、その土台は伝統的なイタリア料理です。醤油や卵かけごはんといった日本らしさをうまく取り入れられたのも、調理技法や知識などの基礎をこつこつと習得してきた結果だと思います。今回得られた自信を原動力に、美食を届ける料理人としての高みを引き続き目指しつつ、お客様を楽しませる新たなアイデアを大事に温めていきたいです。
 

 
 
「トリュフ卵かけごはん『T.T.K.G』~イタリアンテイストで~」のレシピはこちら