BGPI
はじめに / 特長 / 効能・効果 / 測定原理 /抗CL・β2GPI抗体の反応性 / 抗リン脂質抗体症候群とは /
臨床成績 / 包装単位・製品コード / 参考文献

はじめに
 自己免疫疾患患者血清中に出現し、従来「抗カルジオリピン抗体」と呼ばれていたリン脂質依存性の自己抗体はカルジオリピンそのものではなく、カルジオリピン(CL)と
β2-グリコプロテインI(β2GPI)の複合体に反応する抗体であることが、最近の研究により明らかになりました1-6)
 抗CL・β2GPIキット「ヤマサ」EIAは、この新しい測定概念に基づいて抗カルジオリピンβ2グリコプロテインI複合体抗体を測定する体外診断用医薬品です7)

特長
1. 抗カルジオリピンβ2グリコプロテインI複合体抗体(抗CL・β2GPI抗体)を特異的かつ再現性よく測定できます。
2. 抗リン脂質抗体症候群の診断及び経過観察に有用です。
(対象は、自己免疫性の血栓症が疑われる疾患及び習慣流産です)

効能・効果
血清中の抗カルジオリピンβ2グリコプロテインI複合体抗体(抗CL・β2GPI抗体)の測定

測定原理
抗CL・β2GPIキット「ヤマサ」EIAは、固相酵素免疫測定法(ELISA法)に基づく測定キットです。

BGPI原理


抗CL・β2GPI抗体の反応性
 抗リン脂質抗体症候群及び感染症患者の血清中に出現するいわゆる「抗カルジオリピン抗体(抗CL抗体)」は、抗体結合におけるβ2GPI依存性の違いで下記に示すように分別されます3,6)

GPIグラフ1

 SLEをはじめとする抗リン脂質抗体症候群由来の抗CL・β2GPI抗体は、B図に示すように内因性もしくは外因性のβ2GPIの存在下で固相化CLに対する結合が認められます。
 梅毒など感染症由来の抗カルジオリピン抗体(抗CL抗体)は、C図に示すようにβ2GPIの添加によって固相化CLに対する結合が抑制されます。また、健常人ではどちらの抗体も検出されません(A図)。


抗リン脂質抗体症候群とは
 抗リン脂質抗体症候群とは、動・静脈血栓、習慣流産、血小板減少などの臨床像を有し、血清中に抗リン脂質抗体が検出される自己免疫疾患です8)。本疾患は、SLEで最も多く認められます。必ずしもSLEの診断基準を満たさない症例やSLEと関連のないと考えられる疾患にも分布します。
抗リン脂質抗体症候群
臨床症状 血清学的変化
動・静脈血栓
習慣流産
血小板減少
抗リン脂質抗体陽性
 ・抗CL・β2GPI抗体
 ・ループスアンチコアグラント

 抗リン脂質抗体症候群の患者には、身体のさまざまな部位における血栓症の発症が報告されていますが、約70%は下肢を中心とした静脈系の血栓症であり、再発しやすい特徴を持っていると言われています。
抗リン脂質抗体症候群に認められる血栓症
1. 深部静脈
腋窩静脈、下大静脈、網膜中心静脈血栓症
肝静脈血栓症(Budd-Chiari症候群)
2. 動脈
脳血管障害(脳梗塞、一過性脳虚血発作)
冠動脈血栓症(心筋梗塞)
網膜中心動脈血栓症(黒内障)
末梢動脈閉塞(皮膚壊疽)
腸間膜動脈血栓症
3. その他
肺高血圧症(肺血栓塞栓症)
大腿骨頭無菌性懐死


臨床成績
抗CL・β2GPI抗体の各疾患における出現例
抗CL・β2GPI抗体は、SLE、習慣流産、死産に認められますが梅毒(感染症)や健常人には認められませんでした。

BGPIグラフ


包装単位・製品コード
1キット 192テスト用
製品コード:YSE-7731

参考文献
1. McNell, H. P. et al.: Proc, Nati. Acad Sci. U. S. A. 87 : 4120,1990
2. Galli, M. et al.: Lancet 335:1544, 1990
3. Matsuura, E. et al.: Lancet 336:177,1990
4. Koike, T. et al.: Lancet 337:671,1991
5. Matsuura, E. et al.: Int. Immunol. 3:1217,1991
6. Matsuura, E. et al.: J. Immunol. 148:3885,1992
7. 小池隆夫、他: 医学と薬学 26:535,1991
8. Hughes, G. R. V., et al.: J. Rheumatol. 13:486,1986