道具・原版・技法

“メゾチント”

[mezzotint(英)、meniere noire、Schabkunst(独)]
 17世紀の半ば頃、ドイツのルートヴィッヒ・フォン・ジーゲンが発明した銅版画技法の一種。
 メゾ(イタリア語で中間調という意味)という言葉が表わすように、黒から白にかけての微妙な諧調を表現することができるメゾチントは、名画(油絵)の複製品を作るのに適していたため、17~18世紀には特にイギリスで大流行しました。(イングリッシュ・マナーともいわれます。)
19世紀末の写真機の登場により、メゾチントは独立した芸術表現法としての地位を得ぬまま忘れられた技法となってしまいました。
 パリに渡った浜口は自ら道具探し、技法探求を独学で行い、ついにはモノクロの技法とされていたメゾチントの世界にカラー表現の技術を開拓し、より豊かな芸術表現ができるようにしました。

浜口陽三がメゾチント制作に愛用した道具類
中央左の作業手袋や道具類の大切な刃先を守るウールのカバーは
夫人の南桂子が古着で手作りしたもの

ベルソー[berceau(仏)]またはロッカー[rocker(英)]
版上に凹部を作るための道具。
刃先を銅版画に当て、弧にあわせて揺り動かすと、鋸状になっている刃により無数の“まくれ(バール)”ができる



参考資料:「銅版画ノート」視覚デザイン研究所 編

 

カラーメゾチントの原版(4枚1組)を公開。
精密な仕事のあとを見ることができる。


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