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プロの料理人が読んでいる情報誌

  • うま味、香り、黒毛和牛とのマッチング。ヤマサしょうゆでなければ、うちの味は出せません。

    プロの技 拝見

    pro-32-01 明治から昭和にかけて、日本橋人形町で浪曲寄席の名席として知られた「喜扇亭」。その下町情緒あふれる数寄屋造りの建物を飲食店に改築し、昭和27年に開業したのが「人形町今半」です。お座敷に足を踏み入れると、当時の寄席の名残が感じられます。
     「日本橋には老舗が多い。創業120年、日本橋に来て60年ですが、まだまだ新参者と言われます」。そう語るのは、総調理長の野口一男氏。和食の会席料理店で腕を磨いていた野口氏は、「人形町今半に入社するまで本格的に牛肉を取り扱った事が無く、とまどいましたが、突き詰めると、肉は切り方ひとつとっても、本当に奥が深い。うちで働く料理人は、みんな肉の虜になっていきます」。

    pro-32_02 人形町今半と言えば、なんといってもすき焼。主役は黒毛和牛です。人形町今半の仕入れ担当者が大切にしているのが、生産者と常にコミュニケーションをとること。「牛は生き物なので、愛情を持って育てると、おだやかでいい肉質の牛になります。生産者の人柄、情熱、愛情が牛にうつるんです」。そして、牛を選ぶ基準となるのが、脂の質。クリーム色で融点が低く、融けやすい脂であることが、肉質のいい牛を見極めるポイントになります。徹底的に脂の質にこだわることで、おいしさのクオリティを保っているそうです。
     こうして選ばれた黒毛和牛のおいしさを最大限に引き出すのが、ヤマサのしょうゆ。割り下、タレ、ぽん酢など、すべてヤマサのしょうゆがベースになっています。「自分が求めてきた味は、しょうゆが変わると違ってしまいます。人形町今半の味のイメージと、使うしょうゆは切り離せません」と野口氏。黒毛和牛の品質に非常にこだわり、いい肉は脂が多く含まれます。その肉質にいちばん合うしょうゆが、ヤマサと言います。「ヤマサしょうゆのうま味と香りが、黒毛和牛のよさを引き立ててくれる。ヤマサでないと、うちのすき焼の味は出せません。お客様もその味を求めて来ていただいているので、一口食べただけで感動していただけるのです」。

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     人形町今半には、新入社員が毎年入ってきます。野口氏は彼らに必ず、目標を持つように言っているそうです。「3年後、5年後、10年後の目標を持つことによって、日々何をやるかということが明確になる。漠然として過ごさないで、きっちり調理師となってもらうことが私たちの願いです」。

     今後も御家族の記念日など「ハレの日」にお選びいただけるお店として磨きをかけていきたい、と語る野口氏。これからも人形町今半から、たくさんのおいしい思い出が生まれていくはずです。

    人形町今半 総料理長 野口 一男 氏

    人形町今半 総料理長
    野口 一男 氏

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