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シェフの裏技 スペシャルインタビュー シェフの裏技 スペシャルインタビュー

L'AS

兼子 大輔(かねこ だいすけ)シェフ

1979年、広島県生まれ。大阪 ラ・ベカス、東京 コートドール等都内数件の修業を経て、06年に渡仏。カオール(バランドル)、パリ(サンドラス)にて勤務後、帰国。2009年 麻布十番「カラペティバトゥバ!」のシェフに就任。2012年 L'ASをオーナーシェフとしてオープン。2013年 L'AS移転と同時にCORKをオープン。2014年 イギリスFOUR MAGAZINE主催 ‘ライジングスター賞’ 受賞。JR東北エモーション 食堂車両のコース料理監修。日本最大級の料理人コンペティションRED U-35 (RYORININ’s EMERGING DREAM)で、ゴールドエッグ受賞。

シェフにお話を聞いてきました

バランス感を大切に

料理への道は、大阪のレストランでのアルバイトから。社会人としての、仕事の厳しさを学びました。その後、経験の場を東京へ移し、さらには本場フランスで修業を重ねました。日本ではアナログな道具を使うことが多かったのですが、フランスでは機械を効率的に取り入れながらも、料理のクオリティを崩さずに調理しているのが印象的でしたね。料理をする上で大切なことはたくさんあると思いますが、料理ばかりに集中しすぎるのではなく、例えばスタッフの快適な労働環境など、全体のバランス感を見ながら良い料理を作れるようにと心がけています。

料理のヒントは常日頃からアンテナを貼って

普段から何か料理のヒントに出会った時はピンとくるように、アンテナを常に貼っています。
「しょうゆキャラメルシナモンソース」は、キャラメルの風味が強すぎるとせっかくのしょうゆの風味が飛んでしまうので、キャラメルを焦がしすぎないのがポイント。味のイメージとしてはみたらし団子のような感じでしょうか。また、バターを入れることで、サラサラとしたしょうゆに濃度が付いて、舌の上に乗った時の感じ方が変わります。
「スパイスしょうゆ」は、香辛料の香りや赤ワインを加えることによって、洋食にも合う味わいになるのではと考えアレンジしました。しょうゆには割と色々な香辛料が合うと思いますが、どの食材と合わせるかということを考えるのが大切。今回は味わいが淡泊な鶏肉なので、スパイシーなクミンやコリアンダーを使いました。
「しょうゆサバイヨンソース」は、しょうゆに卵黄を入れることで濃度が付き、野菜にからみやすくなり、味もまろやかになります。サラダに限らず、魚など色々な料理に合うと思います。

本場フランスでも定番なしょうゆ

フランスで修業中も、厨房には普通にしょうゆがありました。日本のフレンチでしょうゆを使うと和食のイメージになりやすいですが、フランスでは隠し味として頻繁に使われていましたね。「鮮度の一滴」は、とても香りがよいというのが第一印象。減塩は、最初もっと物足りないイメージがあったのですが、しっかりとした味わいでした。僕はワインも好きなのですが、ワインはラベルである程度の味が想像できます。ワインの造り手が、ラベルも一貫したセンスで作っているからですが、「鮮度の一滴」のパッケージにも、それと同じ印象を受けました。高級感があっていいですね。今回は、自分が思っていた以上に、しょうゆもフレンチに色々な使い方ができるのだと勉強になりました。

兼子大輔シェフの裏ワザレシピ